電波の狭間で

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第一話 ネットワークの綻び

田中は朝のニュースフィードをスクロールしながら、コーヒーを啜った。業界ニュースは毎日が小競り合いの連続だ。

「ローミングエリア縮小か」

呟きながら、彼は過去数年の通信市場の推移を思い出していた。新規参入者が急速に台頭し、既存のインフラを巡る提携・解除が繰り返されている。それは単なる経営判断ではなく、日本全国の誰もがアクセスできる電波というリソースの奪い合いだった。

自分の職場にもその波は確実に押し寄せていた。同僚たちの表情が日に日に変わっていくのを感じる。ただシステムを構築するだけではなく、その背後にある戦略まで理解することが求められ始めていたのだ。

田中は窓の外を眺めた。見えない電波がこの街を覆っている。どの企業の、どのネットワークが、どこまで到達しているのか。ユーザーには意識されない、でも確実に存在する力学がそこにはあった。

彼のスマートフォンの通知が鳴った。

「会議が前倒しになります」

今日もどんなニュースが飛び込んでくるのか。田中は覚悟を決めるように席を立った。

続きはまもなく

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