電線の向こう側

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第一話 夜間の足音

富山の工業地帯は夜間になると、本来の顔を隠す。昼間の静寂とは違う、別種の静けさが降りてくるのだ。

県警の捜査課に報告が届いたのは、今月に入ってからのことだった。複数の工事現場から、送電ケーブルが盗まれるという被害が相次いでいた。最初は単なる窃盗かと思われていたが、被害額を合計すると、相当な規模であることが判明した。

現場に残された痕跡は、組織的な盗難を示唆していた。素人の仕業ではない。工具の使い方も手馴れたものだった。捜査員たちは夜間監視を強化することを決定した。

そんな中、一人の警察官が違和感を覚えた。被害地域の広がり方、作業の効率性、そして盗まれたケーブルの処分方法。これらすべてが、単なる金銭目当ての犯行とは異なる匂いがしていた。

国際化が進む地方都市では、様々な国籍の労働者が働いている。その事実が、この事件の鍵になるとは、当時は誰も予想していなかった。

夜明け前の工事現場で、ついに容疑者は逮捕された。その時、一つの疑問が生まれた。なぜ、彼らはこんなことをしたのか。その答えを知るには、もっと深く、この事件の背景を掘り下げる必要があったのだ。

続きはまもなく

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