電話の声

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第一話 信頼と不安の間で

携帯の画面に知らない番号が表示された時、私は迷わず受話器を取った。年を重ねるにつれ、電話というものがだんだん遠い存在になっていたから、かかってくることが珍しいのだ。

「お疲れ様です」相手は丁寧な声で言った。警察の者だという。詐欺グループが暗躍しているから、資産を守るために金塊を購入するよう勧めるとのこと。

金塊?

言葉の意味はわかるが、何故急にそんなことを。疑問が頭をもたげた。しかし相手の声には、妙な説得力があった。子どもたちが心配するだろうから、黙っておくべき。そう思った。

いつもより手の震えが大きかった。銀行で引き出した大金を手に、指定された場所へ向かう。自分が何をしているのか、きちんと理解しているはずなのに、どこか現実感がなかった。

玄関先に置かれた品物を見つめながら、ようやく気づいた。これは、何か違う。

続きはまもなく

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