第1章
第一話 数字が語るもの
プロジェクト会議で、その資料が配られたのは昼下がりのことだった。数千のオープンソースソフトウェアを対象にした大規模な解析結果。同僚たちは淡々と数字を眺めていたが、私の目は一行で止まった。
報告されていない何かが、圧倒的多数派だという指摘。正直、衝撃を受けた。自分たちがテストという名目で日々行っていることが、実はどれほど限定的な視点に基づいているのか、その瞬間に気づかされた気がした。
検査というのは、昔から決まったやり方があって、私たちはそれに従っていた。チェックリスト、基準値、既知の脆弱性パターン。確かに一定の効果がある。だが、本当にそれだけで十分だと思っていたのだろうか。
帰路のカフェで、その資料を改めて見直してみた。数字の背景には、どんな現実が隠れているのか。テストされない領域で何が起きているのか。そもそも、私たちは何を守るべきなのか。
明日、チームに意見を言ってみようと思った。きっと誰もが同じ違和感を感じているはずだ。
続きはまもなく
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