第1章
第一話 習慣との別れ
十年近く毎日更新してきたプラットフォームを開くのが、最近は少し重くなった。フォロワー数は申し分ないし、エンゲージメントも悪くない。なのに何か違和感がある。タイムラインに流れてくる情報の質が変わったのか、それともこちらの感度が変わったのか。
きっかけは友人の一言だった。「もう皆、あっちに移ってるよ」と。別のプラットフォームの名前。確認してみると、同業者たちがすでに活動の中心を移していた。賑やかなタイムラインをながめながら、私は少し取り残された感覚に襲われた。
けれど焦って全てを乗り替えるのも違う気がした。十年の蓄積を手放すのは簡単ではない。それでも時代は容赦なく進む。SNSプラットフォームの盛衰は、もはや自然現象のようだ。
緩やかに移行する。その言葉が頭に浮かんだ時、気が楽になった。急ぐ必要はない。両足で二つのプラットフォームに立ちながら、徐々にバランスを変えていく。古い場所の良さを活かしつつ、新しい場所の可能性も探る。
そう決めた夜、私は新しいプラットフォームで初めての投稿を準備した。何を書こうか。いつもと同じ内容では意味がない。この場所だからこそ出来ることは何か。そんなことを考えながら、画面に向かっていた。
続きはまもなく
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